釣りしたけど釣りしたことないよ
海の近くの旅館に姉と泊まっていた。
旅館の前には広くない道路を挟んで海が広がっていた。
夜、姉と旅館から出て海へ魚釣りに行った。
街灯1つない田舎。夜は真っ暗なのにライトも持たずに釣りに行った。
旅館から出て道路を数歩で渡り、背が低めの胸壁があった。
海の中に立っても足首辺りまでしか水がないくらい浅い海。
防波堤を歩いた。
海は浅いから防波堤はものすごく低く、30cmくらいしかない。
旅館から出る時は何も持っていなかったのにいつの間にか釣り竿を持っていて釣りを始めた。
間も無く、60代くらいのおばさんが胸壁近くで海の中に入ってライトを照らしながら立っていることに気が付いて声をかけた。
私「なにか釣れますか?」
おばさん「イカ釣れるよ。夜にライトを照らすとイカが寄ってくるんだ。」
目が痛いくらい明るいライトを照らしているし、海に着いたらすぐおばさんの存在に気が付きそうなものが気付かなかったのか。
それにしても、わざわざ海の中に足を入れなくても防波堤からライトを照らして釣ればいいのになぜ海の中に入っていたのだろうか。
姉と釣りを続けていると海の広がる方向から70代くらいのおじさんが防波堤に向かって来た。
何か話をした気がするが覚えていない。
海には街灯なんてないし真っ暗な海でおじさんはライトを持たずに何をしていたのだろうか。
多分釣りか素潜りで何か採ってたんだと思うがわからない。
真っ暗だから怖いし危ないと思ったことは覚えている。
おじさんが防波堤に上がって来てどこかへ行ってしまってからしばらくして私と姉にやっと獲物が掛かった。
何が掛かったか見えていないが網ですくった。
網をひっくり返してみるとグニャグニャとした軟体動物だということはわかった。
おばさんはイカが釣れると言っていたからきっとイカだろうと思って釣りを続けた。
最終私も姉も3つずつゲットした。
もう釣りを終えようと、旅館に戻る前に何を採ったのか見た。
私はクラゲ2匹とタコ1匹。
姉はクラゲ1匹とタコ2匹。
魚を釣りに来たのに魚は釣れなかったし、イカが釣れると聞いたのに釣れなかった。
クラゲは釣れてもあんまり嬉しくなかった。
釣りしたことないけど釣りをした夢を見たお話。